No.49 能登のアテ林業
のとのあてりんぎょう
番号 | No.49 |
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登録年度 | 2022年度 |
認定対象 | アテ林業地の林業景観、苗木生産・複層林施業の技術体系、林業記念地としての元祖アテ |
分類・形式 | 林業景観、技術体系、林業記念地 |
成立年代 | 江戸時代中期 |
所在地 | 輪島市、穴水町、七尾市、能登町、珠洲市 |
所有・管理者 | 能登森林組合、石川県農林総合研究センター林業試験場、ほか |
連絡先 | forestryheritage.jp@gmail.com |
アテは、ヒノキ科アスナロ属アスナロの変種であるヒノキアスナロThujopsis dolabrata Sieb.et Zucc. var. hondae Makinoの地方名で、能登を中心とした日本海側にその系統の名称が分布している。アテは耐陰性が強く、樹下植栽後の適切な枝打ち、間伐により多段林の形成が可能であった。輪島地域を中心とした能登地方では古くから農家の余暇労力を利用したマアテの複層林経営が営まれていた。複層林施業は高度な管理技術が求められる一方で、少規模でも収穫を繰り返しながら再造林、育林を同時に行うことができることが特徴である。この能登地方にみられるアテの林業景観とそれを維持・管理する特有の技術体系は、江戸時代中期から発展してきた伝統的なものであり、林業遺産としての価値が認められる。また地元で「元祖アテ」と呼ばれる2本の巨木は、樹齢450年と推定され、樹高はともに約30m、幹周は4.0mと3.6mと県内でも最大である。天正年間(1573~1592)に東北地方から苗木を持参したという伝承もあり、能登のアテ林業の象徴となっている。