第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
林政部門[Forest Policy]
日付 | 2023年3月27日 |
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開始時刻 | 16:00 |
会場名 | Room 1 |
講演番号 | A21 |
発表題目 | 京都大学芦生研究林における木地師遺構の保全について The Preservation of Kijishis' Remains in Ashiu Research Forest of Kyoto University |
要旨本文 | 京都大学フィールド科学教育研究センター芦生研究林は,大正10(1921)年に現・南丹市美山町知井地区の財産区有林に京都帝国大学が地上権を設定しすることにより誕生した。丹波国の東端にあたるこの地は,山城,近江,若狭の各国との境界に位置し「芦生奥山」と呼ばれていた。江戸期より,所有者による資源利用とは別に,山中に居住し,広葉樹から椀や杓子を造る技術者集団である木地師が活動していたことが,木地師の支配所の一つである筒井正八幡宮(滋賀県東近江市蛭谷)に残された『氏子駈帳』より明らかになっている。木地師らは,近江および若狭方面から研究林内への流入,移動を繰り返していたようだが,具体的な活動内容を示す資料は残っていない。研究林内には,木地師らの墓所と伝わる遺構や,明治中期に最後の木地師らが住んだという屋敷跡などが残っているが,いずれも学術調査は進んでおらず,文化財としての評価や保全については課題が多い。本研究では,文献資料が残されていない奥地林での木地師らの生活の痕跡を学術的に評価し,保全へと繋ぐことの意義,およびそのための課題について検討を行った。 |
著者氏名 | ○坂野上なお |
著者所属 | 京都大学フィールド科学教育研究センター |
キーワード | 芦生研究林, 木地師遺構, 保全 |
Key word | Ashiu Research Forest, woodturners' remains, preservation |