第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 2023年3月27日
開始時刻 14:30
会場名 Room 4
講演番号 E2
発表題目 人工光で育成したカラマツ苗の越冬方法の検討
Investigation of Overwintering Method for Larch Seedlings Grown under Artificial Ligh
要旨本文 人工光による苗木栽培のメリットは①根元が太く植林後の活着率向上が期待できる苗木を安定的・効率的に育成できる、②歩留りが低下しやすい幼苗を安定的に育成できる、③栽培環境を人工的に制御することにより、需要に応じた出荷調整ができる、④冬季にも育成できる、である。一方、人工光栽培では冬芽が形成されないため、屋外で越冬できないことが課題である。そこで、人工光環境制御を用いたカラマツ人工光苗の越冬方法を検討した。人工光苗に温度22℃、8℃で日長8時間の短日処理を行い、冬芽形成状況を観察した。その結果、①22℃区では冬芽が形成され、屋外で越冬させたところ翌年新芽が開葉した。②8℃区では冬芽が形成されなかったが頂芽は残存し、再び加温すると新葉が発生した。③両試験区とも圃場に植林後、活着が確認できた。これより①人工光環境制御による短日処理で冬芽を形成させれば人工光苗は屋外での越冬が可能となる。②低温での短日処理では冬芽は形成されないが頂芽は成長能力を維持しており、冬期保管ができる可能性がある。③本処理法を含む人工光育苗を従来の自然光育苗と組み合わせることで、カラマツ苗の効率的な育成が可能になると考えられる。
著者氏名 ○下山真人1 ・ 溝田陽子2 ・ 山田祐樹2 ・ 赤松伯英1 ・ 高橋真一2
著者所属 1(株)大林組技術本部 環境エネソリューション部 ・ 2(株)大林組技術本部 技術研究所
キーワード カラマツ, 人工光栽培, 育苗, 冬芽形成処理, 冬季保管
Key word Larch, Artificial Light Cultivation, Nursery Practices, Winter Bud Formation Treatment, Winter Storage