第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
造林部門[Silviculture]
日付 | 2023年3月27日 |
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開始時刻 | 15:15 |
会場名 | Room 4 |
講演番号 | E4 |
発表題目 | 海岸防災林再生地に植栽されたクロマツ苗の衰退状況 Decline of planted black pine saplings at the Coastal Forest Restoration site in Iwanuma |
要旨本文 | 東日本大震災後の海岸防災林再生事業では,高い地下水位を考慮して山砂を用いた盛土によって海岸林造成地がつくられた。しかし山砂の排水性の悪さから不成績となった造成地が多い。本研究では,2021年,クロマツ苗の生育が最も悪い造成地の一つである宮城県岩沼市の岩沼地区20工区を対象に,土壌含水率とともに造成地内の明渠やチップマルチがクロマツ苗の生残率や樹高成長に与える影響を評価した。この造成地は108個の区画で構成され, 2018年春に18,622本のクロマツ苗が植栽された(5,000本/ha)。植栽後4年間の全苗木の死亡率は25.0%で,枯死は海側区画に集中していた。一般化線形混合モデル分析により,苗木の生残率に対して明渠とチップマルチが負の効果を示したが,それぞれ有意な説明変数ではなかった。樹高成長に対しては,明渠,チップマルチ,土壌含水率がそれぞれ負の効果を示した。明渠は排水口がないため排水されず,チップマルチは地表からの蒸散を抑制して過湿化したと考えられる。また造成地の海側は作業道設置によって埋められたため排水が悪くなり,これが海側区画で特に死亡率が高くなった理由と推定される。 |
著者氏名 | ○真坂一彦 ・ 齋藤仁志 ・ 宮脇直哉 |
著者所属 | 岩手大学農学部 |
キーワード | 海岸林, 不成績, クロマツ, 滞水過湿, 盛土 |
Key word | coastal forest, decline, black pine, excess soil moisture, embankment |