第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]
日付 | 2023年3月26日 |
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開始時刻 | 14:00 |
会場名 | Room 1 |
講演番号 | F5 |
発表題目 | シデコブシにおける遺伝的多様性、集団遺伝構造および歴史的な集団動態 Genetic diversity, population genetic structure, and historical demography in Magnolia stellata |
要旨本文 | シデコブシは東海地方に分布する固有種であり、自生地である湿地の開発や遷移の進行により絶滅が危惧されている。これまでに、シデコブシの保全を目的としてアロザイムやSSRを用いた集団遺伝学的研究が行われている。アロザイムやSSRでは座数が限られるため遺伝的多様性や集団遺伝構造の評価に不十分な場合がある。一方、SNPでは多数の座が扱えるためゲノムワイドな評価により詳細な遺伝情報が得られる可能性がある。そこで、本研究では、多数のSNPを用いて、シデコブシにおける遺伝的多様性、集団遺伝構造、近縁種コブシとの遺伝的関係および歴史的な集団動態を調べた。その結果、先行研究と同様に、三重県北部の一部の集団は孤立しているにも関わらず高い遺伝的多様性を保有することが明らかになった。また、3つの分布域に対応して明瞭に分けられる集団遺伝構造が初めて明らかになった。近縁種コブシとの遺伝的関係や歴史的な集団動態の解析では、三重県北部の集団が最も祖先的であり、シデコブシの起源は三重県北部にあることが示唆された。したがって、三重県北部の集団をより優先的に保全していく必要があると考えられる。 |
著者氏名 | ○久田和磨1 ・ 玉木一郎2 ・ 戸丸信弘1 |
著者所属 | 1名古屋大学大学院生命農学研究科 ・ 2岐阜県立森林文化アカデミー |
キーワード | 保全遺伝学, 集団ゲノミクス, 一塩基多型, 遺伝子浸透, コブシ |
Key word | conservation genetics, population genomics, single nucleotide polymorphism, introgression, Magnolia kobus |