第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
生理部門[Tree Physiology]
日付 | 2023年3月27日 |
---|---|
開始時刻 | 9:00 |
会場名 | Room 4 |
講演番号 | G1 |
発表題目 | 多様な木本植物における光化学系Ⅱの光阻害防御機構に関する研究 Interspecific variations in the rate constants of photo-damage and repair of photosystem II among woody species |
要旨本文 | 植物の光合成には光が不可欠だが、葉に照射される光が強すぎると特に光化学系II(PSII)に損傷を与え、光合成活性の低下(光阻害)を引き起こす。植物には過剰な光エネルギー下で光損傷を受けたPSIIを修復する有効な機構があることが知られており、光損傷の速度が修復の速度を上回った場合に光阻害が起こる。この2つの過程は、葉にリンコマイシンを注入することで葉緑体のタンパク質合成を阻害し、PSIIの修復を阻害することで別々に解析することが可能である。木本植物の光損傷と修復の速度に関する研究は限られている。本研究では、異なる環境下で生育する常緑樹および落葉樹18種の木本植物を用いて、光阻害の機構を検討した。葉に強い光を照射し、リンコマイシン存在下と非存在下でPSII量子収率の変化をクロロフィル蛍光測定でモニターし、光障害(不活性化)の速度定数(kpi)と修復の速度定数(krec)を算出した。その結果、木本植物18種はkpiとkrecのバランスにおいて異なる性質を持ち、過剰な光エネルギーに対処する戦略の違いを示していることが示唆された。我々は、木本植物種の生理的・生態的側面について、その生息地や葉の形態的特徴との関連で考察した。 |
著者氏名 | ○辻祥子1 ・ 上妻馨梨2 ・ 落合久美子1 ・ 伊福健太郎1 ・ 彦坂幸毅3 |
著者所属 | 1京都大学大学院農学研究科 ・ 2東京大学大学院理学系研究科 ・ 3東北大学大学院生命科学研究科 |
キーワード | 光合成, 光阻害, 強光ストレス, 光化学系Ⅱ |
Key word | photosynthesis, photoinhibition, High light stress, PSⅡ (photosystem Ⅱ) |