第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
生理部門[Tree Physiology]
日付 | 2023年3月27日 |
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開始時刻 | 11:00 |
会場名 | Room 4 |
講演番号 | G8 |
発表題目 | アカマツの生理生態的形質に対する産地の効果と植栽地の効果 Effects of provenance and plantation site on ecophysiological traits of Japanese red pine (Pinus densiflora) |
要旨本文 | 表現型の形質は遺伝子型と生育環境によって影響を受ける。南から北へ移植したアカマツは成長量が低下することが報告されており、これは南の産地に適応した遺伝子型が北の環境で不利になった可能性が考えられるが、植栽地の環境の変化に対する表現型可塑性の評価は十分とはいえない。そこで本研究では2箇所の産地試験地における、アカマツの生理生態的形質に対する産地および植栽地の効果について、表現型可塑性の評価を踏まえて明らかにすることを目的とした。材料には全国10産地のアカマツ天然集団内の各5母樹から採取した後代種子(計50家系)を、岩手県滝沢市および鳥取県智頭町に植栽した5~6年生個体を用いた。生理生態的形質として、樹高・地際直径、当年葉の面積、乾重、単位葉面積あたりの乾重(LMA)、窒素含有量を測定した。その結果、寒冷な産地の個体で葉の窒素含有量が高く、葉のサイズが大きいほか、生理生態的形質における表現型可塑性が高かった。南の産地のアカマツを北に移植した際の成長量の低下には、産地の効果に加えて温暖な産地の個体の生育環境への可塑性の低さが関連している可能性が考えられた。 |
著者氏名 | ○三木直子1 ・ 長川遥香2 ・ 久村健人2 ・ 那須仁弥3 ・ 岩泉正和4 |
著者所属 | 1岡山大学学術研究院環境生命科学学域 ・ 2岡山大学農学部 ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター 東北育種場 ・ 4国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター 九州育種場 |
キーワード | 表現型可塑性, 産地試験, 植栽地, 葉のサイズ, 成長 |
Key word | Phenotypic plasticity, Provenance test, Plantation site, Leaf size, Growth |