第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
植物生態部門[Forest Ecology]
日付 | 2023年3月27日 |
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開始時刻 | 14:45 |
会場名 | Room 7 |
講演番号 | H3 |
発表題目 | 外来マングローブが示す西表島の熱帯化 The tropicalization on Iriomote island indicated by alien mangroves |
要旨本文 | 1957年から現在に至る65年間の気象庁観測データによると、地球全体の温暖化傾向を反映し、西表島の気温も上昇傾向にある。2022年から過去10年間のうち6年は最寒月平均気温が18℃を上回っており、過去10年間の最寒月平均気温の平均が18.39℃となった。その西表島でタイ原産マングローブの一種、オオバヒルギ(Rhizophora mucronata Lam. )の散布体を移植する試験が1981年に実施された。植栽された散布体は発根発芽して定着、成長は継続したものの結実は確認されなかった。しかし移植から40年が経過した2021年、初めて散布体の結実が確認された。その後結実モニタリングを継続し、結実した散布体は全て収穫している。これら二つの事実から西表島の気候は熱帯化したことが示唆された。今後も地球温暖化の進行により、現在亜熱帯の八重山・沖縄地方は熱帯へ、九州南岸と四国南岸の温帯地域は亜熱帯化することが推察される。本発表で報告された内容を踏まえ、これらの地域に今後漂着することが予測される熱帯性、亜熱帯性の漂流散布植物を従来通り外来種として駆除し続けるべきか、それとも自然の植生遷移として受け入れるべきかどうかを慎重に検討する必要があるだろう。 |
著者氏名 | ○渡辺信 |
著者所属 | 琉球大学熱帯生物圏研究センター |
キーワード | 熱帯化, 外来マングローブ, 西表島 |
Key word | topicalization, alien mangrove, Iriomote Island |