第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

立地部門[Forest Environment]

日付 2023年3月27日
開始時刻 9:30
会場名 Room 5
講演番号 I3
発表題目 森林土壌団粒の野外再形成過程に土壌表面の人工的被覆が及ぼす影響
Effects of artificial soil surface cover on the field reformation process of forest soil aggregates.
要旨本文  森林の土壌団粒の野外条件下での再形成過程において,土壌表面の被覆の影響を明らかにする目的で,野外培養実験を行った。ヒノキ人工林から採取し調整を行った団粒試料(≦1mm)を円筒に充填し培養試料とした。培養試料は同一のヒノキ人工林斜面に設置し,この際,上面を樹脂製ネット1枚で被覆したものを被覆なし,ネット3枚で被覆したものを被覆ありとした。一定期間ごとに培養試料を回収し(3,6,32,46週間後),団粒分析試験,孔隙解析,透水試験等を行った。その結果,両条件とも培養3週間で1mm以上の耐水性団粒が再形成した。その後は,培養期間が長くなるに従い再生成が進み,とくに被覆なしの培養条件で顕著であった。孔隙組成や透水性などは,両条件とも32週までは大きな変化はなかったが,46週で粗孔隙量が増加し,透水性も高くなった。物理性の変化には被覆条件による大きな差異はなかった。また,培養試料表面の観察から,被覆なしの条件では試料表面に1mm程度の鉱物粒子が露出しているのが認められ,雨滴の衝撃を受けたことが推察された。以上から,被覆なしの条件で団粒の再形成が顕著であったが,雨滴衝撃の影響で物理性の向上が阻害されたと考えられた。
著者氏名 ○小野裕1 ・ 宇津木祐夏2
著者所属 1信州大学学術研究院農学系 ・ 2信州大学大学院農学研究科
キーワード 団粒, 野外培養試験, 森林土壌, 土壌物理性
Key word aggregate, field cultivation experiment, forest Soil, soil physical properties