第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
立地部門[Forest Environment]
日付 | 2023年3月27日 |
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開始時刻 | 10:00 |
会場名 | Room 5 |
講演番号 | I4 |
発表題目 | 亜熱帯常緑広葉樹林における尾根と谷に適応した樹種の細根形質の違い Difference in fine root traits between tree species groups adapted to ridge and valley in a subtropical forest |
要旨本文 | 亜熱帯常緑広葉樹林では多くの樹種の共存によって生態系が維持されている。これらの樹種の共存メカニズムを理解するためには、各樹種の資源獲得戦略を明らかにする必要がある。樹木の成長に必要な資源(養水分)は地形によって変化しており、尾根や谷に特異的に出現する樹種は、環境に合わせて資源の獲得器官である細根の形質を変化させて適応していると考えられる。そこで、本研究では、尾根や谷に適応した樹種の細根形質の違いを明らかにすることを目的とした。調査は琉球大学与那フィールド内の天然林に設置された4haプロットで行った。尾根に特異的に出現する10樹種と谷に特異的に出現する6樹種について、細根の根端を対象に形質の指標となる比根長、組織密度、根直径、窒素濃度を測定した。細根形質は樹種によって有意に異なったが、地形間では違いはみられなかった。樹木の形質には種の系統分化が関係していることが指摘されており、対象種のうち尾根と谷に同じ科の樹種が出現したのはモッコク科のみであった。この科に注目すると、比根長と根直径において地形間で有意な違いが見られ、谷に適応した種の方が養分獲得効率の高い細根を形成する可能性が示唆された。 |
著者氏名 | ○蜂須賀莉子1 ・ 高嶋敦史2 ・ 鵜川信1 |
著者所属 | 1鹿児島大学大学院農林水産学研究科 ・ 2琉球大学農学部附属亜熱帯フィールド科学教育研究センター |
キーワード | 細根形質, 地形, 亜熱帯常緑広葉樹林, 一次根 |
Key word | Fine root traits, Topography, Subtropical evergreen broad-leaved forest, Root tip |