第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
立地部門[Forest Environment]
日付 | 2023年3月27日 |
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開始時刻 | 10:45 |
会場名 | Room 5 |
講演番号 | I7 |
発表題目 | 山岳域における樹木細根の窒素吸収機能の全容:標高による変化の解明 Nitrogen uptake function of fine roots along alpine elevational change |
要旨本文 | 本研究では環境条件の違いが樹木の窒素吸収機能に与える影響を解明するために、山岳域の樹木細根を対象に標高による無機態及び有機態窒素吸収の変化の測定を試みた。調査は2021,2022年の8,9月に、乗鞍岳の標高2000 mと2500 mで行った。対象樹種は常緑針葉樹のオオシラビソと、落葉広葉樹のダケカンバとした。細根を樹体につながったまま掘り出し、NH4ClとKNO3もしくはC2H5NO2を含む窒素溶液に浸して90分間静置した。静置後採取した窒素溶液は濃度変化を測定し、各窒素形態の吸収速度を算出した。結果、樹木根による各窒素形態の吸収速度の平均値はアンモニア態、有機態、硝酸態の順に高かった。アンモニア態吸収速度は両樹種とも標高による変化が見られなかったのに対し、硝酸態吸収速度は両樹種ともに標高2000 mよりも2500 mで低い傾向が見られた。有機態窒素吸収速度はオオシラビソが標高による変化が見られなかった一方で、ダケカンバが標高2000 mよりも2500 mで低下した。このことから標高による樹木細根の窒素吸収の変化は、窒素形態や樹種によって異なることが分かった。発表では細根特性や菌共生との関係から、樹木細根による窒素吸収を決定する要因を考察する。 |
著者氏名 | ○伊藤拓生1 ・ 小田あゆみ2 ・ 増本泰河1 ・ 橋本裕生1 ・ 宮本裕美子2 ・ 牧田直樹1 |
著者所属 | 1信州大学大学院総合理工学研究科 ・ 2信州大学農学部 |
キーワード | アンモニア態窒素, 硝酸態窒素, 有機態窒素, 根機能特性, 野外調査 |
Key word | Ammonium, Nitrate, Organic nitrogen, Root functional traits, Field research |