日付 |
ポスター発表 |
講演番号 |
KP-08 |
発表題目 |
ツキノワグマの行動に影響を及ぼす自然環境要因は何か
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要旨本文 |
栃木県那須町では年間30件以上のクマの目撃情報が寄せられ、栃木県が策定した「栃木県ツキノワグマ管理計画」においても,観光客との接触事故が指摘されている。しかし、冬眠開始時期の研究はあるものの、ツキノワグマが冬眠を終了さる要因分析について、研究がなく研究の必要性を感じた。那須町における目撃情報を出没位置図にプロットすると、春から夏の温暖な時期は標高の高い土地での目撃が多く、晩夏から秋の気温が下がる時期は標高の低い土地での目撃が増える。春先の冬眠終了後のクマの活動場所は、人の活動エリアと重なり、冬眠終了当初から地図上でも人的被害が生じる懸念がある。那須町からの情報等を基に、目撃初日を冬眠が覚めた日付近と仮定し、降水量、降雪量、気温、前年の米の作柄などのデータと目撃初日の相関を求めた。その結果、3月上旬から過去30日間の降水量に高い相関性が認められることが判明、3月1日前後から過去約30日間の降水量が少ない場合、冬眠が早く明け、降水量が多い場合、冬眠明けがゴールデンウイーク頃までずれ込むことが明らかになった。今後は、他に相関がある事象を変数に加え、冬眠終了時期のモデル式を打ち立てたいと考えている。 |
著者氏名 |
小西鵬矩 |
著者所属 |
東京都立大泉高等学校 |
キーワード |
ツキノワグマ, 冬眠終了, 積算降水量, 相関関係, 咬傷被害 |