第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

高校生ポスター発表[high-school student poster presentation]

日付 ポスター発表
講演番号 KP-17
発表題目 キノコが森林生態系の炭素収支に与える影響と土壌動物との関係
要旨本文 本校の山林には様々な生物が生息しており、貴重な生態系となっている。近年、地球温暖化によって様々な生態系が影響を受けている。地球温暖化の緩和策として、炭素隔離効果が期待されるバイオチャー(生物や植物の遺骸を嫌気的条件下で炭化させたもの)を森林に散布し、炭素収支への影響を経年的に比較し、効果を検証した。 本研究では15m×15mの区画を2区画(A,B区)設置した。また、片方の区(B区)にバイオチャーを10t/ha散布した。生態学的手法を用いて、樹木の成長量、枯死脱落量、土壌呼吸量の測定を行い、炭素収支の指標である生態系純生産量(NEP)を2020~2022年にかけて算出した。 B区のNEPは散布1年後に50%程度増加する結果となった。これは日照時間が減少した年でも成長量がほとんど減少しなかったこと、土壌呼吸量が昨年度と比べて著しく減少したことが考えられる。また、本研究では7.2t/haの炭素を散布したことになるが、炭素放出量は通常区の+2,5t/haに留まった。また、樹木の成長量の増加や土壌改良の促進も確認でき、バイオチャーは森林生態系へも応用できることが示唆された。
著者氏名 藤吉康光、山川寛太、岳本航希
著者所属 浅野中学・高等学校
キーワード キノコ, 森林生態系