要旨本文 |
低コストで実用性のあるクヌギ育苗を目的として、クヌギの容器(コンテナ苗・ポット苗)と土(山土・ココピート)による成長量の違いを検討した。コンテナはJFA-150、ポットは4号を使用した。土には元肥として10L当たり100gのハイコントロール700を加えた。クヌギ苗は2022年4月に播種し、同年10月に苗長、根元径、根の重量、枝・幹の重量、根の先端の角度を調査した。解析はWelchのt検定を用いた。結果、容器の違いによって苗長に違いがあるとは言えなかったが、根元径はポット苗で大きい傾向があった。また、根の重量、枝・幹の重量もポット苗で大きい傾向があった。一方で、根の先端の角度はコンテナ苗で大きい傾向があった。土では、苗長、根元径、根の重量、枝・幹の重量がココピートで大きい傾向があった。ポット苗が大きい傾向を示した要因として、空中根切りによるストレス、土の容量、密度効果などが影響していると考えられた。ただし、根の先端の角度が大きく、下方向を向いていることから、植栽後の活着や成長は良くなると考えられた。また、ココピートで大きい傾向を示した要因として、保水性や土の硬度などが影響していると考えられた。 |