第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]

日付 2023年3月27日
開始時刻 15:15
会場名 Room 6
講演番号 L4
発表題目 昆虫病原性線虫H. megidis SOz01株のマツノマダラカミキリ殺虫活性評価
Evaluation of the insecticidal activity of Heterorhabditis megidis SOz01 against Monochamus alternatus larvae
要旨本文 マツノマダラカミキリの生物的防除素材候補として、我々は昆虫に強い殺虫活性をもつ昆虫病原性線虫(以下、EPN)に着目して研究を進めている。これまでに、野外土壌からマツノマダラカミキリ幼虫に対し強力な殺虫活性を示すEPNとしてHeterorhabditis megidisの1株(SOz01)を分離した。SOz01株のマツノマダラカミキリへの殺虫活性を定量的に評価するため、マツノマダラカミキリ老熟幼虫に対する接種試験結果を基に、半数致死量(以下、LD50)と半数致死日数(以下、LT50)を算出した。接種するSOz01株の感染態幼虫の頭数は0、1、5、25、125、625の6段階とし、接種19日後まで生死を観察した。LD50は接種4日後に25頭、9日後に11頭と経過日数に従い小さくなり、19日後に9頭で最小となった。またLT50は625頭を接種したときに最も短くなり、1.8日となった。これらの値は、既往研究での甲虫類に対する他種EPNの殺虫強度と比較しても強力な部類と見なすことができた。このことより、SOz01株はマツノマダラカミキリに対して有効な防除素材であるといえる。
著者氏名 ○小澤壮太1 ・ 前原紀敏2 ・ 高務淳2 ・ 中村克典1
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林昆虫研究領域
キーワード 昆虫病原性線虫, マツノマダラカミキリ, マツ材線虫病, 生物的防除
Key word Entomopathogenic nematode, Monochamus alternatus, pine wilt disease, biological control