第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

特用林産部門[Non-Wood Forest Products]

日付 2023年3月26日
開始時刻 13:45
会場名 Room 6
講演番号 N1
発表題目 設定後40年経過したマツタケ試験地の状況(Ⅱ)ー気象環境の変化ー
Forest status of a Matsutake test site 40 years after setting (2) -Choronological change of climatic environment-
要旨本文  マツタケは有機質の少ない土壌を好み、子実体の発生には適切なマツタケ山環境整備(以下「施業」)が重要とされる。第133回大会では、1980年に施業を行った豊丘村試験地の土壌調査から、試験地施業区の土壌が施業後40年経過した現在でも発生に適した環境を維持し、発生量に減少傾向がみられないと報告した。今回はマツタケの生育に影響を与える気象環境(地中温度)と施業との関連について報告する。 試験地施業区及び対照区の、1983年から2020年までの6月から10月における地温(地中10㎝深)を旬毎に集計(1987,2000-2012年:対照区欠測)した。この結果、施業後約20年までは年間を通じて施業区の地温が対照区に比べ有意に高く、施業30年以降の両試験区はほぼ同じ地温変動を示した。これは除間伐、腐植層除去による施業直後は多くの太陽光入射から、施業区の地温が上昇し対照区と差が生じたが、近年の施業区は樹冠閉鎖、腐植堆積などにより、対照区との地温差がほぼなくなったものとみられた。
著者氏名 ○古川仁1 ・ 片桐一弘1 ・ 増野和彦1 ・ 大矢信次郎1 ・ 徳岡滉大2 ・ 水野藍ら2 ・ 山田明義2,3
著者所属 1長野県林業総合センター ・ 2信州大学農学部 ・ 3信州大学山岳科学研究所
キーワード マツタケ, 地温, 森林施業, 気象環境
Key word matsutake, soil temperature, forest management, climatic environment