第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

林政部門[Forest Policy]

日付 ポスター発表
会場名 (学生ポスター賞の審査対象)
講演番号 P-014
発表題目 「木材利用促進法」施行前後の公共建築物木造化の変化
Changes in the use of wood in public buildings as a result of the law
要旨本文 2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」(以下は「公促法」)が公布され翌2011年に施行された。この法律は、公共建築物の木材利用を推進することにより地域材の利用と地元林業の振興に寄与することを目的としている。本研究では、公促法の施行による木材利用促進の実態について分析検討を試みた。まず、公促法施行前の2006年から2010年までを第Ⅰ期、施行直後の2011年から2015年までを第Ⅱ期、2016年から2020年までを第Ⅲ期として、新規公共建築物の木造率を比較した。第Ⅰ期に平均8.3%であった木造率が第Ⅱ期には9.8%、第Ⅲ期には13.4%と徐々に高くなっていた。地域別に見ると全国平均を上回る地域がほとんどであるが、大都市圏がある関東、関西の木造率は第Ⅲ期で10%前後と比較的低かった。建築物の利用目的別にみると医療福祉用や教育支援用の建築物において第Ⅰ期から第Ⅲ期まで継続して木造率が上がっていたが、公務用やその他の建築物において増加はほとんど見られなかった。公促法は一定の効果を上げているものの大都市圏とその他の地方では木材利用促進の傾向が異なっており、地域特性を踏まえたさらなる制度の導入が必要と考えられた。
著者氏名 ○倪寛1 ・ 石橋整司2 ・ 安村直樹3 ・ 當山啓介4
著者所属 1東京大学大学院農学生命科学研究科 ・ 2東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林田無演習林 ・ 3東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林生態水文学研究所 ・ 4東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林千葉演習林
キーワード 公共建築物, 公共建築物木造化, 「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」
Key word public buildings, use of wood in public buildings, The Laws for Promotion of Use of Wood in Public Buildings