第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

経営部門[Forest Management]

日付 ポスター発表
講演番号 P-059
発表題目 スギ人工林での肥大成長に対して局所密度と樹高・樹冠が及ぼす影響について
Effects of Local Density, Tree Height, and Crown on Stem Hypertrophic Growth in Artificial Japanese Cedar Forest
要旨本文 個体レベルで胸高直径、局所密度、樹冠長と胸高断面積成長量(以下、成長量)の関係を検討した。調査対象地は秋田県男鹿市に位置するスギ一斉人工林であり、29年生時に間伐が行われ、その後は無間伐である。31年生時からほぼ5年おきに15回の定期調査が行われてきた。各個体の局所密度は胸高断面積合計GをSpurr(1962)の方法により算出した。成長量は、(G2-G1)/t (ただしG2は期末、G1は期首の胸高断面積、tは10年)として解析した。全期間を通じて胸高直径と成長量の相関係数は概ね0.8前後であった。一方、局所密度と成長量の相関係数は0.24前後と低かった。全個体を局所密度を基準に四分位数を用いて4段階にグループ分けし、グループごとの成長量を比較した。その結果、局所密度が低いグループでは成長量のばらつきが大きかった。これは各個体が異なる成長能力を持ち、局所密度が低い場所ではその能力に応じた成長をするが、局所密度が高い場所では密度が限定要因となり各個体の成長が抑えられているものと推察された。樹冠長は胸高直径との相関係数が0.80前後と高く成長量との相関も0.80前後と高かった。
著者氏名 ○田中邦宏1 ・ 小谷英司2 ・ 西園朋広2
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所関西支所 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林管理研究領域
キーワード 局所密度, 樹高, 樹冠, 肥大性成長, スギ人工林
Key word Local Density, Tree Height, Tree Crown, Hypertrophic Growth, Artificial Japanese Cedar Forest