第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 ポスター発表
講演番号 P-097
発表題目 40年次に優勢であったトドマツ家系の成長曲線の特徴
Features of tree growth curves in superior families of Abies sachalinensis at 40 years of age
要旨本文  造林木の管理や造林によるカーボンストックを検討したい場合や、林木育種を通した成長優良家系の選抜に対しては、成長曲線及び伐期齢までの成長量の家系間差を理解することが有用である。本研究では、北海道における主要造林樹種の一つであるトドマツを対象に、36及び44家系が植栽された2つの検定林における5, 10, 20, 30及び40年次に測定された樹高データを基に家系毎の成長曲線(ゴンペルツ曲線)を作製し、その差を検証した。トドマツの成長曲線には家系間差が見られ、40年次までの到達樹高が低く、漸近線の収束値が小さくなった劣勢家系と、40年次までの到達樹高が高かった優勢家系の成長曲線を比較したところ、劣勢家系では成長曲線の変曲点が20年以前となっていたのに対して、優勢家系では変曲点が25〜30年次の間に見られた。また、曲線の傾きは優勢家系で小さい傾向にあった。一方で、成長曲線から推定した連年成長量の最大値については、劣勢家系と優勢家系の間に差は見られなかった。これらの結果から、トドマツの40年次までの到達樹高に対しては、植栽から20年次以降の成長の継続性が重要な意味合いを持つことが推測された。
著者氏名 ○花岡創
著者所属 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター北海道育種場
キーワード トドマツ, ゴンペルツ曲線, 変曲点
Key word sakhalin fir, gompertz curve, inflection point