第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 ポスター発表
講演番号 P-101
発表題目 約800系統のスギ精英樹における成木の成長速度と樹冠構造の違いについて
Genetic variation in the growth rates and crown structure at mature stage using >800 genotypes in Cryptomeria japonica
要旨本文 スギは国内に広く分布し、大きな遺伝的変異があるとともに、日本の林業を支える造林樹種の筆頭である。これまで成長等に優れた系統(精英樹)は多数収集されているが、その成長の変異のメカニズムについては十分に明らかになっていない。本研究では、林木育種センターが、日立市の山林において、収集・保存している関東育種区の約800系統のスギの精英樹(25年生)について、その成長速度と樹冠特性について評価した。樹冠特性については、LiDARドローンを使用し、樹冠の面積や形状、葉群分布等を算出した。2021-2022年の1年間の成長速度は、系統間で大きく異なり、DBH成長量は0.005-0.81 cm/year、現存量成長は0.13-21.4 kg/yearであった(共に95%分位点)。現存量成長と樹冠面積との間には強い相関(R2=0.51)があり、等間隔で植栽された試験地であっても、相対的に樹冠を広げた系統ほど成長が良いことがわかった。一方で、樹冠面積あたりの成長速度(空間利用効率)にも大きな変異があり(0.09-2.25 kg/m2)、高い空間利用効率をもつ系統を選抜することが、土地面積あたりの生産増大につながると考えられる。
著者氏名 ○小野田雄介1 ・ 松下通也2 ・ Rahman, Farhadur Md1 ・ 亀井啓明1 ・ 日下真桜1 ・ 田邊智子1 ・ 武津英太郎2
著者所属 1京都大学大学院農学研究科 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター
キーワード 成長, 樹冠構造, 遺伝的変異, スギ
Key word growth, crown structure, genetic variation, Cryptomeria japonica