第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 ポスター発表
講演番号 P-123
発表題目 植栽直前の葉面散布がスギコンテナ苗の活着と成長に与える影響
Effects of short term foliar fertilization on survival and growth for container-grown Sugi seedlings.
要旨本文 主伐後の再造林では、植栽した苗木を確実に活着させ、雑草木に被圧されないよう早く樹高成長を誘導することが重要である。近年、近畿中国地方では、極端な気温変化や少雨の影響で植栽適期の見極めが難しく、特に春植栽で多数の枯死が報告されている。そこで、暑熱馴化が進んだ夏に植栽し、さらに植栽直前の追肥(葉散布)による苗木の活着と成長への影響を検討した。300ccコンテナで育苗した1年生少花粉スギ2系統を、2021年7月に京都市の森林総合研究所関西支所構内に植栽した。追肥は、ハイポネックスプロ400倍液(H区)およびグルタチオン(酸化型)500倍液(G区)を、苗木1本につき20ml(N含量2mg)/回、植栽4週間前から週2回散布した。1年後の活着率は、H区と対照区で94%、G区では47%で、地際径と樹高成長もG区で低かった。どの処理区でも、植栽当年の成長期末までに苗木の地際径が増加し形状比が低下した。植栽直後のETRは、H区とG区のより若い葉で増加率が高かった。一方Fv/Fmは、G区で低下の継続期間が長かった。以上から、追肥と夏植栽によって当年中に形状比の低下と翌年の樹高成長が誘導されたが、植栽時に受ける葉のストレスは追肥の種類で異なることが示唆された。
著者氏名 ○山下直子1 ・ 小笠真由美1 ・ 飛田博順2
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所関西支所 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所植物生態研究領域
キーワード コンテナ苗, 成長, 育苗
Key word container-grown seedlings, growth, nursery