第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 ポスター発表
講演番号 P-134
発表題目 スギ優良品種による下刈り省力の可能性検証-四国中央部での事例
A verification test for labor-saving vegetation control using a fast-growing breed of cedar - a case study in Shikoku
要旨本文 初期成長に優れたスギ苗品種による下刈り省力の可能性を探るため、高知県いの町の奥南川国有林に普通苗「タノアカ」と優良苗「高岡署1号」を800本ずつ2020年4月に植栽した。下刈り回数を変えた処理区をランダムに設定し、ドローン画像からDEMを作成した。全木のサイズ測定とともに、一部の苗では一本ごとの測位と植栽場所の土層厚測定もおこなった。その結果、優良苗は普通苗よりも大きく成長したが樹高の差はわずかであり、3年目夏期では普通苗の平均102.4cmより優良苗が6.8cm高いだけだった。3年目夏期に下草層から苗が出たかどうかを予測するロジスティック回帰では、品種は選択されず、頻回の下刈りによって確率が上がると判断された。同様に位置情報のある苗木について、品種・下刈り処理・土層厚・TRIを説明変数として空間的自己相関を考慮したロジスティック回帰を試みた。品種・下刈り処理とも選択されず、土層が厚くTRIの小さい場所で確率が上がると判断された。優良苗による下刈り省力の可否判断は3年ではまだ早いと推察されたが、一林分のなかで早期に下刈り不要となる部分をTRIで予測できると考えられた。
著者氏名 ○大谷達也1 ・ 米田令仁1 ・ 福本桂子1 ・ 山川博美2
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所四国支所 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所九州支所
キーワード 樹高成長, 競合指数, 土層厚, TRI
Key word Height growth, Competition index, Soil layer thickness, TRI