第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
造林部門[Silviculture]
日付 | ポスター発表 |
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講演番号 | P-146 |
発表題目 | スギ人工林にウダイカンバが混生した針広混交林の30年間の構造変化 Changes for 30 years of a mixed forest of planted Cryptomeria japonica and natural regenerating Betula maximowicziana |
要旨本文 | 針葉樹人工林に広葉樹を混交させることは公益的機能を発揮するために目指すべき森林づくりの方向として注目されているが、針広混交林を長期モニタリングした事例は少なく、その動態は明らかにされていない。ウダイカンバが侵入して混交林化した岩手大学御明神演習林のスギ人工林(炭焼沢試験地)において、スギの成長が比較的良好な林分Aと非常に不成績な林分Bにそれぞれ20m×20mのプロットを設置し、21~51年生の30年間の林分構造の変化を調べた。21年生時には、A、Bともにウダイカンバ林冠木の樹高はスギ林冠木よりも高く、ウダイカンバ-スギ二段林を呈した。36年生頃にウダイカンバの樹高成長が頭打ちになった一方でスギの樹高成長は持続し、41年生時には樹高差がなくなった。Aでは46年生以降スギが広葉樹から抜きんでて超出木となった。AはBに比べるとウダイカンバの樹冠面積の増加が抑えられ、樹冠長も短く、直径成長の減退が著しかった。以上のことから、比較的地位の高い林分では樹高成長が持続するスギが優勢となる方向に推移し、広い樹冠面積を要求するウダイカンバはスギとの競合のために劣勢に向かうと推定される。 |
著者氏名 | ○杉田久志1 ・ 星野大介2 ・ 髙橋利彦3 ・ 真坂一彦4 |
著者所属 | 1富山県農林水産総合技術センター森林研究所 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林植生研究領域 ・ 3木工舎「ゆい」 ・ 4岩手大学農学部 |
キーワード | 針広混交林, スギ人工林, ウダイカンバ, 樹冠面積, 枝下高 |
Key word | mixed forest, sugi plantation, Betula maximowicziana, crown area, lowest branch height |