第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 ポスター発表
講演番号 P-148
発表題目 ヒノキ人工林における広葉樹の更新に及ぼす間伐と採食圧の影響
Influences of thinning and browsing pressure on regeneration of tree species in planted Japanese cypress forests
要旨本文 岐阜県下の温帯落葉樹林帯内に分散して設置した調査地5箇所において,間伐方法とシカ採食が高木性広葉樹の更新に及ぼす影響を検討した。間伐手法は本数率を30%程度に調整した定性または列状とし,シカ柵の有無ごとに設置した複数の固定調査枠で,3年間の動態を調査した。多くの調査区では,間伐手法やシカ柵の有無に関わらず,先駆性種を中心とした高木性種が侵入した。しかし,個体数には調査地ごとの最大値で2~20本/m2と差がみられ,応答に乏しい調査区もあった。それ以外では,シカ柵外より柵内において,定性区より列状区において,高木性種の侵入数,樹高成長ともに値が大きいか,その傾向がみられた。高木性種の侵入数は間伐後1年目がピークで,その後の個体数は横ばい,または徐々に減少していた。樹高は微増か横ばいの調査区が多かった。一方,侵入数,成長ともに成績が良好であった調査区では,落葉低木の植被率や樹高も同時に高くなったため,高木性種との競合がみられた。今後は,成績の差異をもたらす要因を精査するとともに,採食圧が高い地域では防護対策を行ったうえで,低木性種との競合や2回目以降の間伐サイクルを加味した管理方法を考える必要がある。
著者氏名 ○渡邉仁志 ・ 宇敷京介 ・ 久田善純
著者所属 岐阜県森林研究所
キーワード 間伐, 枯死, 混交林, 侵入, ニホンジカ
Key word thinning, seedling mortality, mixed forest, seedling recruitment, sika deer