第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 ポスター発表
会場名 (学生ポスター賞の審査対象)
講演番号 P-164
発表題目 遺伝子発現から見た酢酸によるスギ苗の細根の吸水抑制機構の検討
Gene expression analysis on inhibited water uptake in fine roots of Japanese cedar seedlings by acetic acid application.
要旨本文  草本植物の培土に酢酸施用すると乾燥耐性が高まることが報告されている。スギコンテナ苗でも、根系への酢酸施用による蒸散速度の低下や酢酸施用後の灌水停止試験による可視障害発生の遅れが確認された。これは、酢酸でスギ細根の吸水機能が抑制されたことによる可能性が示唆された。本研究では、その抑制機構を明らかにするために、20, 50 mmol/Lの酢酸溶液または水を吸水させたスギコンテナ苗から経時的に細根を採取し、RNA-seqによる発現遺伝子の解析を行った。酢酸処理と水処理の間で発現量に有意差がなかった遺伝子群からハウスキーピング遺伝子の候補を探索した。酢酸処理と水処理の間で発現量に有意差があり、吸水に関与する可能性のある複数の候補遺伝子について定量PCRで検証した。 アノテーションの結果、水チャネル活性に関するいくつかの遺伝子で酢酸処理と水処理の間で発現量に有意差が確認された。酢酸が細根の吸水機能を抑制する機構として、アクアポリンの水チャネル活性を低下させる可能性が示された。
著者氏名 ○小林裕子 ・ 黒河内寛之 ・ 吉武和敏 ・ 浅川修一 ・ 丹下健
著者所属 東京大学大学院農学生命科学研究科
キーワード 蒸散, 通水抵抗, アクアポリン, 乾燥耐性, RNAシーケンス
Key word transpiration, water resistance, aquaporin, drought tolerance, RNA-Seq