第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]
日付 | ポスター発表 |
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講演番号 | P-170 |
発表題目 | スギ (Cryptomeria japonica D. Don) の全ゲノム配列の決定 A whole-genome assembly of Japanese cedar (Cryptomeria japonica D. Don) |
要旨本文 | スギ (Cryptomeria japonica D. Don) はゲノムサイズが約 11 Gbp と巨大であり、ゲノム中に占める反復配列の割合も多いことから長らくゲノム配列の決定が困難であった。我々は 3 度の自殖を経たスギの 1 個体(国東3 S3-3)から抽出した長鎖 DNA をもとに PacBio HiFi ライブラリを作成し de novo アセンブリすることで合計 9.1 Gbp から成る 2,651 個のコンティグを得た。さらに同個体から作成した Omni-C ライブラリに基づく解析でコンティグを全 11 本の染色体上に配置することに成功した。アセンブリ配列を 7,781 個のマーカーから構成された遺伝学的地図と比較し高い整合性が見られたことからアセンブリの正確性が検証された。ゲノムアセンブリに対して RNA-seq, Iso-seq および ESTs (Futamura et al., 2008) から成る transcript 配列と OrthoDB v10 に対する相同性とに基づく遺伝子予測を行い、約 5 万 5 千個の遺伝子セットを得た。この遺伝子セットは BUSCO による評価で 91.4% という針葉樹では最高水準の完全性を得た。染色体レベルでのスギゲノム配列の解読はポジショナルクローニングなどの分子育種の基盤を提供する。 |
著者氏名 | ○藤野健1 ・ 山口勝司2 ・ 横山稔之1 ・ 濵中俊哉1 ・ 原薗陛正1 ・ 鎌田寛彬1 ・ 小林航1 ・ 伊原徳子3 ・ 内山憲太郎3 ・ 松本麻子3 ・ 伊津野彩子3 ・ 津村義彦4 ・ 豊田敦5 ・ 重信秀治2 ・ 森口喜成6 ・ 上野真義3 ・ 笠原雅弘1 |
著者所属 | 1東京大学大学院新領域創成科学研究科 ・ 2基礎生物学研究所超階層生物学センター ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所樹木分子遺伝研究領域 ・ 4筑波大学生命環境系 ・ 5国立遺伝学研究所先端ゲノミクス推進センター ・ 6新潟大学大学院自然科学研究科 |
キーワード | スギ, ゲノムアセンブリ, 遺伝子アノテーション |
Key word | Japanese cedar, genome assembly, gene annotation |