第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]

日付 ポスター発表
講演番号 P-174
発表題目 若齢時評価値は成長形質のゲノム予測精度を向上させるか:材質形質との比較
Do young-age estimation improve accuracy of genomic predictions for growth traits in Cryptomeria japonica
要旨本文 樹木を含む植物の成長は隣接個体との競争や炭素貯留能力に関わる重要な形質であり、系統や環境条件などに依存して変化することから、生理的・遺伝的に制御されていると考えられる。我々のグループではゲノム網羅的な多数の遺伝子型から成長と連鎖する遺伝的な変異の検出を進めるとともに、成長形質を遺伝子型から予測するゲノミック予測技術の開発を進め、予測に基づく優良個体の選抜方法を開発・改良してきた。しかし、樹高や胸高直径など成長形質は材質形質と比較した場合にゲノミック予測による予測精度が低く、予測結果の育種事業への適用には依然課題がある。成長形質のゲノミック予測精度が低くなる原因として、樹木個体位置による環境の不均一性などの空間的な影響が経年的にも変動し、累積的に形質値に蓄積されている可能性が考えられる。そこで本研究では茨城県日立市の育種集団林一ヵ所に植栽された精英樹F1集団の植栽後5年次および10年次評価値を用いたゲノミック予測を行い、18年時評価値を用いた既存の予測モデルとの比較を行った。また、成長形質と材質形質の遺伝性の比較に基づき、成長形質のゲノミック予測精度向上の可能性について議論を行う。
著者氏名 ○永野聡一郎1 ・ 安田悠子1 ・ 平尾知士1 ・ 高島有哉2 ・ 松下通也1 ・ 三嶋賢太郎3 ・ 井城泰一3 ・ 石栗太4 ・ 平岡裕一郎5 ・ 高橋誠1
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター関西育種場 ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター東北育種場 ・ 4宇都宮大学農学部 ・ 5静岡県立農林環境専門職大学生産環境経営学部
キーワード ゲノミック予測, 交配家系集団, スギ, アンプリコンシーケンシング, 形質予測モデル
Key word genomic prediction, F1 populations, Cryptomeria japonica, AmpliSeq, phenotype prediction model