第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]
日付 | ポスター発表 |
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講演番号 | P-181 |
発表題目 | トドマツの長期産地試験地を用いたホームサイトアドバンテージの検証 Testing the home-site advantage using a long-term provenance trial in Abies sachalinensis |
要旨本文 | 様々な由来産地の家系を移植させた産地試験の長期動態からは、対象種の有する遺伝変異や適応の実態を深く検証できる。北海道を代表する針葉樹トドマツは、北海道全域にまたがる大規模な産地試験が継続されており、先行研究からは、気候条件が対照的な太平洋側と日本海側それぞれにある試験地のどちらにおいてもホームサイトアドバンテージが成立すること、ただし、地域適応の強さは均一ではないことが示された(Ishizuka et al. 2021 Ecol.Res.)。ここでホームサイトアドバンテージとは、植栽後のパフォーマンスと由来産地-試験地間の地理距離もしくは環境距離との間に負の関係があり、自生(ホームサイト)集団の高い適応性を表す概念である。本研究では、先行研究で扱わなかった別地域の試験地(十勝地域)において40年生の生残・成長を調査し、どの程度のホームサイトアドバンテージがみられるかを検証した。解析の結果、地理距離・環境距離の増大はともに有意にパフォーマンスを低下させたが、地理距離のあてはまりが良いことがわかった。示された傾向は先行研究の1試験地の結果とよく共通しており、地域適応の強さに地理的傾向があることを強く示唆する結果となった。 |
著者氏名 | ○石塚航1 ・ 米澤美咲1 ・ 花岡創2 ・ 中田了五2 ・ 生方正俊2 |
著者所属 | 1北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター北海道育種場 |
キーワード | 局所適応, 材積, 材密度, 材強度, 種内変異 |
Key word | local adaptation, tree volume, wood density, wood stiffness, intraspecific variation |