第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]

日付 ポスター発表
会場名 (学生ポスター賞の審査対象)
講演番号 P-198
発表題目 MIG-seq法を用いたフタバガキ科樹木セラヤの遺伝的変異と集団構造の評価
Evaluation of genetic variation and population structure in Shorea curtisii (Dipterocarpaceae) by MIG-seq
要旨本文 東南アジアの熱帯雨林は、高い生物多様性を誇る一方で、農業や森林伐採による自然植生の破壊が進行しており、その保全は国際的な重要課題である。遺伝的多様性を考慮した森林の保全・再生には、現存する樹木集団の遺伝的変異パターンとその形成過程を考慮する必要がある。現在の東南アジアの熱帯雨林樹木は氷期サイクルに伴う気候変動や海水面変動の影響を受けており、この影響は遺伝的変異の地理的パターンを解析することで明らかにされてきた。本研究では、主要なフタバガキ科樹木であるセラヤ(Shorea curtisii)の遺伝的変異と集団構造をMIG-seq法を用いて評価した。ボルネオ島集団の遺伝的多様性はマレー半島集団より低く、マレー半島とボルネオ島間には明確な遺伝的分化が見られた。また、本研究から推定された遺伝的構造から、一部のマレー半島集団においてボルネオ島集団で優占する遺伝的クラスターが検出され、これは2地域の分岐後に遺伝子流動があった可能性を示唆している。
著者氏名 ○小笠原実里1 ・ Alexander R. Cobb2 ・ Rahayu Sukmaria Sukri3 ・ Faizah Metali3 ・ 田中憲蔵4 ・ 米田令仁5 ・ Mohamad A. Azani6 ・ Shawn K. Y. Lum7 ・ 上谷浩一1
著者所属 1愛媛大学 ・ 2Singapore–MIT Alliance for Research and Technology ・ 3ブルネイ・ダルサラーム大学 ・ 4国際農林水産業研究センター ・ 5国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 ・ 6マレーシアプトラ大学 ・ 7南洋理工大学
キーワード Shorea curtisii, MIG-seq, 系統地理, 遺伝的変異, 集団構造
Key word Shorea curtisii, MIG-seq, Phylogeography, Genetic variation, Population structure