第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]
日付 | ポスター発表 |
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会場名 | (学生ポスター賞の審査対象) |
講演番号 | P-202 |
発表題目 | ブナにおけるデモグラフィーの歴史の推定 Estimation of demographic history in Fagus crenata |
要旨本文 | 次世代シーケンシングによって得られたゲノムデータを用い、コアレセント理論に基づいて、集団の拡大、縮小、分化、移住などの過程を含む最適モデルを探索することにより、種内または近縁種間のデモグラフィーの歴史を定量的に推定することができる。本研究では、ブナの集団遺伝構造に基づき、3系統(日本海側、太平洋の南側と北側)の4つの分岐モデルについて、24集団合計144個体の一塩基多型データを用いてデモグラフィー解析を行った。プログラムfastsimcoal2を用いたコアレセントシミュレーションによりモデルのパラメータを最尤推定し、AICで最適モデルを選択した。最適モデルは日本海側と太平洋側2系統がまず分岐し、太平洋側の系統はさらに北側と南側に分岐するモデルであった。ブナの世代時間を80年と仮定すると、日本海側と太平洋側の分岐時間は約5.35百万年前および太平洋の南側と北側の分岐時間は約2.36百万年前と推定されたことから、鮮新世から第四紀の寒冷化による分断化で3つの系統が分化したことが考えられた。また、約31万年前以降になってから二次的接触により系統間の移住率が高くなったことが示唆された。 |
著者氏名 | ○賴承筠1 ・ 玉木一郎2 ・ 中尾勝洋3 ・ 三須直也1 ・ 鳥丸猛4 ・ 内山憲太郎5 ・ 戸丸信弘1 |
著者所属 | 1名古屋大学大学院生命農学研究科 ・ 2岐阜県立森林文化アカデミー ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所関西支所 ・ 4三重大学大学院生物資源学研究科 ・ 5国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所樹木分子遺伝研究領域 |
キーワード | 集団遺伝構造, 有効集団サイズ, 移住率, コアレセントシミュレーション, 系統地理 |
Key word | population genetics structure, effective population size, migration rate, coalescent simulation, phylogeography |