第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

生理部門[Tree Physiology]

日付 ポスター発表
会場名 (学生ポスター賞の審査対象)
講演番号 P-215
発表題目 アコースティックエミッションの発生頻度から推測した通水機能の変動
An attempt to evaluate tree water relations based on the frequency of acoustic emissions
要旨本文 樹木は日常的に通水組織内で気泡(キャビテーション)を生じ、通水阻害(エンボリズム)が起きることが知られている。通水阻害は気泡の発生に応じて生じる弾性波(アコースティックエミッション、AE)の検出で評価できるが、要因や発生パターンの把握のために長期的に計測された事例は少ない。通水阻害は樹体内の栄養塩や植物ホルモンの輸送を制限するため、その変動についての議論は、樹木の生理学的な生存戦略を理解する上で根幹となる。本研究では苗木のオリーブおよび生立木のシマトネリコを対象として、通水機能の変動を通水阻害の観点から評価することを目的とした。実験は神戸大学構内において、2021年5月から12月まで行った。通水阻害の評価では、AEセンサーを用いてAEのイベント数を10分間の積算値として記録し、樹液流速度は熱流束計を用いて、ともに非破壊で経時的計測を行った。その結果、オリーブでは、潅水直後から葉の褐変が確認されるまでのAEの発生頻度と熱流束の変動を捉えることができた。生立木のシマトネリコでは、AEと熱流束に加え、気象データを併せることで、通水機能の日的な変化、およびフェノロジーについて考察した。
著者氏名 ○小切壮仁 ・ 東若菜 ・ 黒田慶子
著者所属 神戸大学大学院農学研究科
キーワード エンボリズム, 樹液流, 野外観測, 広葉樹, 熱流束
Key word Embolism, Sap flow, Field measurement, Broad-leaved tree, Heat flux