第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

生理部門[Tree Physiology]

日付 ポスター発表
会場名 (学生ポスター賞の審査対象)
講演番号 P-220
発表題目 スギ樹幹における成長呼吸由来のCO2放出速度〜木部分化帯幅との関係
Stem CO2 efflux came from growth respiration in Cryptomeria japonica : relationships of xylem differentiation
要旨本文  樹幹 CO2 放出速度(Es)は主に成⻑呼吸に由来する成分(Esg)と維持呼吸に由来する成分(Esm)により構成される。このうちEsgは肥大成⻑に起因するが、肥大成⻑の指標である木部分化帯幅との関係の報告例はほとんどない。本研究では直接的に木部分化帯幅を計測し、Esgとの関係を明らかにした。 信州大学農学部構内演習林においてスギ10個体を供試木とした。2022/3/24~12/27の間、約1ヶ月ごとにチャンバー法によりEsを計測した。同時に樹幹温度を計測した。休眠期である11〜12月のEsはEsmのみで構成されると仮定して温度応答式を算出した。温度応答式を用いて成⻑期のEsm を推定した。得られたEsmを Esから除くことでEsgを分離し、1日におけるEsgの平均値(meanEsg)を算出した。Es の計測と同日に打ち抜き法により得たマイクロコア試料から木部分化帯幅を計測した。meanEsgと木部分化帯幅との関係について単相関分析を行った。 meanEsgと形成層帯幅+細胞拡大帯幅との間に有意な正の相関が7個体で認められた。一方でmeanEsg と二次壁肥厚帯幅との間に有意な正の相関が3個体で認められた。形成層帯幅+細胞拡大帯幅が meanEsg に相対的に大きい影響を与えることが示唆された。
著者氏名 ○平谷理人1 ・ 安江恒2 ・ 荒木眞岳3
著者所属 1信州大学大学院総合理工学研究科 ・ 2信州大学先鋭領域融合研究群 山岳科学研究拠点 ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林植生研究領域
キーワード 幹呼吸, 成長呼吸, 木部分化
Key word stem respiration, growth respiration, xylem differentiation