第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

生理部門[Tree Physiology]

日付 ポスター発表
講演番号 P-228
発表題目 Melaleuca cajuputiの窒素吸収の高温応答
High temperature response of nitrogen uptake by Melaleuca cajuputi seedlings
要旨本文 熱帯荒廃地における森林再生の技術開発には、熱帯樹木の環境応答に関する知見の蓄積が欠かせない。荒廃地では、植生が疎らなために土壌温度が日中、上がりやすく、植栽木の根が高温に晒される。Melaleuca cajuputiは、根圏低酸素ストレスに加えて低pHストレスや過剰アルミニウムストレスにも高い耐性を備えていることから、熱帯荒廃低湿地の有力な造林候補樹種であるが、高温ストレス下での本種の窒素吸収については知見がない。植物育成装置(30度/25度)に設置した水耕栽培系の培養液の温度を制御して、アンモニウムの吸収を窒素安定同位体を用いて測定し、窒素吸収の高温応答を調べた。30度の培養液で生育した個体は、40度でも30度と同等の窒素吸収能力を示し、吸収した窒素の地上部への輸送も同等であった。明期に40度で4時間処理した高温処理個体では、対照個体に比べて30度における窒素吸収能力が低かった。また吸収した窒素の地上部への輸送が阻害される傾向があった。40度における吸収能力と地上部への輸送には両者で違いはなかった。高温処理を1週間繰り返した個体の結果と比較して、本種の窒素吸収の高温に対する短期的な耐性と馴化能力について考察する。
著者氏名 ○則定真利子 ・ 山ノ下卓 ・ 小島克己
著者所属 東京大学大学院農学生命科学研究科附属アジア生物資源環境研究センター
キーワード 熱帯荒廃低湿地, 森林再生, 土壌温度, 15N, アンモニウム
Key word degraded tropical lowland, reforestation, soil temperature, 15N, ammonium