第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

生理部門[Tree Physiology]

日付 ポスター発表
講演番号 P-229
発表題目 ユーカリのフィトエン不飽和化酵素遺伝子のゲノム編集
Genome editing of phytoene desaturase gene in Eucalyptus camaldulensis
要旨本文 ユーカリの一種であるEucalyptus camaldulensisは商業樹種として重要なだけでなく、熱帯の酸性土壌で植物の成長を阻害するアルミニウムイオンに対する耐性を示す。その耐性機構にはアルミニウムと結合する高分子量の加水分解性タンニンが関与しているが、タンニン合成遺伝子についての情報は少なく、候補遺伝子の単離と機能解明が重要である。本研究では、ユーカリの遺伝子機能を解明する方法の一つとして、ゲノム編集技術の開発に着手した。モデル標的遺伝子としてE. camaldulensisのフィトエン不飽和化酵素(PDS3)遺伝子を選択した。PDS3はカロテノイドの合成に必要な酵素で、PDS3に変異が起こると葉が白化すると予想された。PDS3遺伝子を標的とするCRISPR/Cas9ベクターを作製し、アグロバクテリウム法によりE. camaldulensisを形質転換し、遺伝子組換えユーカリを作出した。葉が白化した2個体の遺伝子組換えユーカリが得られ、そのPDS3遺伝子には欠失変異や挿入変異が生じており、E. camaldulensisのゲノム編集が可能であることが示された。
著者氏名 ○西口満1 ・ 田原恒1 ・ 遠藤真咲2,3
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所樹木分子遺伝研究領域 ・ 2国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構生物機能利用研究部門 ・ 3国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構農業情報研究センター
キーワード CRISPR/Cas9, ゲノム編集, 白化個体, 変異, ユーカリ
Key word CRISPR/Cas9, genome editing, albino, mutation, river red gum tree