第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

生理部門[Tree Physiology]

日付 ポスター発表
会場名 (学生ポスター賞の審査対象)
講演番号 P-237
発表題目 ヒノキ科樹木の防御反応における傷つけ処理と外生植物ホルモン処理の影響
Effects of wounding and exogenous phytohormone treatments on defense responses in Cupressaceae species
要旨本文  針葉樹では幹や枝に傷がついたとき傷口から樹脂と呼ばれる分泌物が流出し、傷口を覆い固めることにより昆虫や菌の侵入を防御している。この過程では、傷害や菌感染に伴う様々なストレス刺激によって樹脂分泌細胞の分化や樹脂の生産が生じる。ヒノキ科の樹種では、傷害樹脂道と呼ばれる細胞間隙が分化し、これにより樹脂が生産されて外部に流出する。この一連の反応には植物ホルモンの一部であるエチレン、ジャスモン酸およびサリチル酸が関与していると考えられた。一般的に植物の傷害応答反応において各植物ホルモンは相乗的または拮抗的に作用することが報告されている。既往の研究から、樹脂分泌が普遍的に認められるヒノキ科樹種の樹脂道形成では、上記三種の植物ホルモンの作用の相違や、樹種ごとに効果の差が認められた。しかし、木部まで到達する損傷を受けた際の傷害応答に対して、それぞれの植物ホルモンがどのように作用するのかは未解明な部分が多い。そこで本研究では、異なる三種のヒノキ科樹種を用いて、上記三種の植物ホルモンを組み合わせて処理し、樹幹の傷つけ処理の有無が、樹脂道形成を中心とした病傷害応答に与える影響について比較・検討した。
著者氏名 ○竹田真子1 ・ 山中啓介2 ・ 山本福壽3 ・ 岩永史子1
著者所属 1鳥取大学農学部 ・ 2鳥取大学農学部附属フィールドサイエンスセンター ・ 3智頭の山人塾
キーワード 植物ホルモン, 傷害樹脂道, ヒノキ科樹木, 脂質
Key word phytohormone, traumatic resin ducts, Cupressaceae species, lipid