第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

植物生態部門[Forest Ecology]

日付 ポスター発表
講演番号 P-243
発表題目 ミヤマハンノキの年輪幅を用いた鳥海山の雪渓規模の推定
Estimating the size of snow path using tree ring width of Alnus Maximowiczii on Mt. Chokai
要旨本文  雪渓は山岳地帯の谷や斜面に夏期でも局地的に残っている積雪を指す。山岳国立公園の雪渓は、重要な景観であり、高山生態系として重要な水資源の一つでもある。しかし、近年の地球温暖化により、雪渓の減少・消失が懸念されており、雪渓規模の経年変化を把握することが喫緊な課題となっている。そこで、本研究では秋田県鳥海町の七ッ釜南東部の雪渓を対象に、雪渓周辺に生育するミヤマハンノキ(Alnus maximowiczii)の幹や枝の年輪幅を用いて、雪渓規模の推移を復元することを目的とした。そのために、以下3つの課題を検討する必要がある。まず、測定した年輪の年代が正しいかどうかの検討。次に、年輪幅の変動と雪渓規模との関係の検討。最後に、復元モデルの作成とその信頼性の検討。 本発表では、ミヤマハンノキ27個体から幹あるいは枝円盤を採取し、109年間(1912年-2021年)の年輪データを得た。目視および統計的手法を併用してクロスデイティングを行った結果、27個体中の20個体の年代照合が可能で、これらのデータを用いて本地域を代表する年輪幅クロノロジーを構築した。
著者氏名 ○沈昱東1 ・ 武田英文2 ・ 後藤博2 ・ 工藤佳世1 ・ 高田克彦1
著者所属 1秋田県立大学木材高度加工研究所 ・ 2秋田雪の会
キーワード ミヤマハンノキ, 年輪年代学, 雪渓
Key word Alnus Maximowiczii, Dendrochronology, Snow path