第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

植物生態部門[Forest Ecology]

日付 ポスター発表
講演番号 P-245
発表題目 秋田佐渡スギ天然林の台風被害後31年間の林分動態
Stand dynamics of Sado Natural Cryptomeria japonica Forest Reserve, Akita prefecture after typhoon damage for 31 years
要旨本文 秋田佐渡スギ天然林は秋田県北秋田市阿仁の標高950mに分布するスギ天然林である。1992年時にはスギが胸高断面積比の67%、ブナが17%を占めた。1992年に1.05haの調査地を設定し、2022年まで5年に1回、胸高直径5cm以上の幹(以下、立木)の毎木調査を行ってきた。1991年に台風被害を受けたが、被害が集中した南側の50m×70mを「被害区」、残りを「対照区」として林分構造の推移を比較した。台風によりスギは被害区で25.5 m2 ha-1、対照区で2.9 m2 ha-1のBA(胸高断面積合計)を失った。その後30年間にスギは被害区で5.3m2 ha-1、対照区で0.2m2 ha-1のBAを失い、台風被害木の近くで新たなスギの枯死が見られた。スギの進界木の密度は両区で違いは見られなかった。 ブナは小径木が多く台風被害が集中することはなかった。その後の30年間に被害区で0.7m2 ha-1、対照区で3.3m2 ha-1のBAが失われたが、これは中径木以上の立ち枯れが対照区で多くみられたためである。また被害区では新たなギャップ下を中心に対照区の2.8倍のブナの進界木がみられた。
著者氏名 ○太田敬之1 ・ 酒井敦2 ・ 野口麻穂子2 ・ 直江将司2 ・ 澤田佳美2 ・ 齋藤智之2
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所
キーワード 更新, 広葉樹, 成長
Key word regeneration, broad leaved trees, growth