第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

植物生態部門[Forest Ecology]

日付 ポスター発表
講演番号 P-253
発表題目 マルチスペクトルドローンを用いたブナの光合成と黄葉色づきの関係解析
Multispectral drone-based analysis between photosynthesis and yellow leaf coloring in Siebold's beech
要旨本文 夏緑樹林の秋を色づける紅葉は、文化的な生態系サービスであるとともに、観光産業などとも関連する重要な資源にもなっている。一方で紅葉の色付きの強さやそのメカニズムについては研究が未だ足りていない部分もあり、近年における紅葉の色付きの悪化現象もある中でその解明が必要とされている。一方でドローンを用いたセンシング技術の革新により、比較的簡便に植物の光合成活性を観測する技術が発展してきた。光合成活性は植物の生産性を測る指標でもあるため、合成産物としての葉の色素量とも関連する可能性が考えられる。そこで本研究は新潟県の標高の異なるブナ林3地点において、マルチスペクトルドローンを用いて晩夏に観測した光合成活性と、秋における黄葉の色づきの強さを観測し、個々の樹冠ベースで両者の関係を明らかにすることを目的とした。解析の結果、光合成活性を測る植生指数の1つであるNDRE(正規化レッドエッジ指数)と、黄葉の色付きの強さを測る指数であるVARI(可視大気抵抗指数)との間に負の相関が見られた。一方で標高や地形、個体によってばらつきも大きく、慎重な解釈が必要と考えられる。
著者氏名 ○小出大1 ・ 小林誠2
著者所属 1国立環境研究所気候変動適応センター ・ 2十日町市立里山科学館越後松之山森の学校キョロロ
キーワード 光合成活性, 色づき, 黄葉
Key word Photosynthetic activity, Color brightness, Autumn leaf coloring