第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
植物生態部門[Forest Ecology]
日付 | ポスター発表 |
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会場名 | (学生ポスター賞の審査対象) |
講演番号 | P-267 |
発表題目 | 倒木が発生した大規模雪崩跡地における亜高山帯針葉樹林構成種の更新 Regeneration of subalpine coniferous forest species on the pit of avalanche site |
要旨本文 | 攪乱跡地に残存する植生や物質は攪乱レガシーと呼ばれ,攪乱直後の更新動態を規定し,その後の遷移系列に長期的な影響を及ぼす。南アルプス亜高山帯の大規模雪崩跡地では,大半の樹木が根返りを起こしたことでピットが形成され,鉱質土壌が露出した。また,連続したコケ群落が分断されパッチ状の分布に変化した。さらに攪乱後に侵入したキイチゴ属群落が無立木状態となった雪崩走路部の大部分を被覆した。本研究ではこれらの攪乱レガシーが,コメツガ,シラビソ類,トウヒ,カラマツ,およびダケカンバの実生更新に及ぼす効果を検証した。 解析の結果,ピットのキイチゴ属やコケなどの他の攪乱レガシーの被覆率および実生の更新状況は非ピットと変わらなかった。また雪崩走路部では,一般的にコケに対して基質選好性を持つとされる常緑針葉樹種も,土壌に多く更新していた。他の植生の被覆の効果と更新基質の効果は被覆の効果の方が強く,更新基質を問わず被覆を避けて更新した個体が多い傾向が見られた。以上から,本調査地においてピット及び更新基質が及ぼす影響は小さく,3つの攪乱レガシーの中で他の植生の被覆が樹木実生に対して最も影響を及ぼすことが示唆された。 |
著者氏名 | ○永田紘夢 ・ 城田徹央 ・ 岡野哲郎 |
著者所属 | 信州大学農学部 |
キーワード | 大規模雪崩跡地, 亜高山帯針葉樹林, ピット, コケ |
Key word | Large-scale avalanche site, Subalpine coniferous forest, Pit, Moss |