第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

植物生態部門[Forest Ecology]

日付 ポスター発表
会場名 (学生ポスター賞の審査対象)
講演番号 P-272
発表題目 ダケカンバ相互移植実験における産地・環境・樹形の関係性の解析
Relationships among tree shape , source populations and climates of Betula ermanii in a common garden experiment
要旨本文 植物は表現形可塑性により気候変動に対応するが、その程度には種固有の幅がある。ダケカンバの樹形は森林限界付近では株立ち状となる一方、亜寒帯の針広混交林内では高木となり、環境変動によって可塑的に変化すると考えられる。一方、遺伝的地理変異により可塑性の幅が生息地ごとに異なる可能性もある。そこで本研究では、新潟大学演習林内の多雪環境(標高800m、積雪300㎝)と少雪環境(標高350m、積雪70㎝)それぞれに移植・生育した11産地由来の5年生ダケカンバ183個体の生残、幹長、幹径、雪・動物による被害、萌芽本数の計測および画像解析による樹冠形状の分析から樹形と試験地・産地の環境の関係を解析した。全ての産地の苗をプールして比較した場合、多雪環境と少雪環境で雪害の被害率に差はあったが、生存率・萌芽率には差はみられなかった。一方、樹形については多雪環境のほうが少雪環境よりも樹高が低く、幅が広がる傾向があった。また樹形には産地間で差がみられ、その多様性は多雪環境よりも少雪環境で顕在化していた。
著者氏名 ○棚田みのり1 ・ 後藤晋2 ・ 戸丸信弘3 ・ 本間航介4 ・ 小林元5 ・ 津村義彦6
著者所属 1新潟大学農学部 ・ 2東京大学大学院農学生命科学研究科 ・ 3名古屋大学大学院生命農学研究科 ・ 4新潟大学佐渡自然共生科学センター ・ 5信州大学農学部 ・ 6筑波大学生命環境系
キーワード 樹形, 萌芽, 攪乱, ストレス, 遺伝的地位変異
Key word tree shape, bud, disturbance, stress, genetic niche variation