第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
植物生態部門[Forest Ecology]
日付 | ポスター発表 |
---|---|
会場名 | (学生ポスター賞の審査対象) |
講演番号 | P-274 |
発表題目 | ハリエンジュの葉および根のポリフェノールに及ぼす生育環境の影響 Effect of growth environment on polyphenols in leaves and roots of Black locust(Robinia pseudoacacia L.) |
要旨本文 | ハリエンジュ(Robinia pseudoacacia L.)は、生態系被害防止外来種リストにも掲載され、現在日本ではすべての都道府県にて移入分布が確認されており、その駆除には高い労力が要求される。本研究では、効率的な駆除のための基礎情報として、ハリエンジュの侵略性の要因の一つであるアレロパシー作用を調査した。多摩川河川敷において孤立木、純林、雑木林に混在しているハリエンジュを選定し、それぞれの根、生葉、リターに含まれるアレロケミカルであるポリフェノール(PP)濃度、光合成速度、植物体および土壌のC/N比などを測定した。その結果、生葉については10月採取の陽葉の全PPが純林区において他調査区よりも19~26 mg/gほど低く、陰葉についても水溶性、全PP濃度が純林区において雑木林区よりもそれぞれ12 mg/g ,21 mg/gほど低く、根の水溶性、全PP濃度も純林区は孤立木よりもそれぞれ5.5 mg/g,10 mg/gほど高いことが分かった。このことから、同樹種が周辺にある場合葉のPP濃度を減らす、地下部の競争がなければ根のPP濃度を下げるなど、周囲の環境により生産するPPを調節している可能性がある。発表ではポリフェノール濃度と環境要因との関係を含めた報告も行う。 |
著者氏名 | ○林寛紀1 ・ 戸田浩人2 ・ 崔東寿2 |
著者所属 | 1東京農工大学大学院農学府 ・ 2東京農工大学大学院農学研究院 |
キーワード | 孤立木, ハリエンジュ純林, 雑木林, 光合成速度, 河川敷 |
Key word | Isolated trees, Black locust pure forest, Thickets, Photosynthetic rate, Riverbed |