第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

立地部門[Forest Environment]

日付 ポスター発表
講演番号 P-280
発表題目 森林土壌の母材の違いが下層土壌の微生物呼吸量に与える影響
Effects of different parent materials of forest soils on heterotrophic respiration in the subsoil
要旨本文 土壌には莫大な量の炭素が土壌有機物として蓄積されており、微生物の分解によって二酸化炭素として大気中へ放出(微生物呼吸)される。近年、下層土壌に蓄積された有機物の分解が微生物呼吸に大きく寄与している可能性が指摘されているが、その実態は明らかではない。森林土壌からの炭素放出の実態と環境変化に対する応答を正確に把握するためには、下層土壌も含めた炭素循環を明らかにする必要がある。本研究では、土壌有機物の存在状態や分解特性が異なると想定される火山灰と非火山灰を母材とする森林土壌を対象に、表層から下層までの土壌プロファイルにおける微生物呼吸量を明らかにすることを目的とした。火山灰土壌(CHI、HSB)と非火山灰土壌(AKZ、HIR)が分布する計4か所の調査地において、土壌を深さ別(0-10、10-25、30-45、45-60cm)に採取した。採取した土壌は根などを除去した後に20℃の条件下で培養し、二酸化炭素濃度を定期的に測定した。本発表では、土壌理化学性や有機物特性と微生物呼吸量との関連性について報告するとともに、土壌炭素量あたりの微生物呼吸量を土壌有機物の分解性の指標として算定し、調査地間及び深さによる違いについても議論する。
著者氏名 ○阿部有希子1 ・ 中山理智1 ・ 丹下健2 ・ 安藤麻里子1 ・ 小嵐淳1
著者所属 1日本原子力研究開発機構 ・ 2東京大学大学院農学生命科学研究科
キーワード 火山灰土壌, 非火山灰土壌, 土壌培養実験, 土壌深さ, 土壌有機物
Key word volcanic ash soil, non-volcanic ash soil, soil incubation experiment, soil depth, soil organic matter