第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

立地部門[Forest Environment]

日付 ポスター発表
講演番号 P-286
発表題目 森林斜面に沿った土壌特性の違いにシカがおよぼす影響
Effects of sika deer on the changes in soil properties along a forest slope
要旨本文 シカによる下層植生の食害や地表面の踏み荒らし、排泄物の供給は土壌特性に影響を与える。一方、日本の森林の大半は傾斜地に存在しており、斜面に沿った物理化学的土壌特性の違いが顕著にみられる。そこで本研究では、同一斜面上の異なる地点における土壌特性をシカの下層植生食害が顕在化する前後で比較することにより、森林斜面に沿った土壌特性の違いにシカが与える影響を明らかにすることを目的とした。調査地は京都大学フィールド科学教育研究センター芦生研究林内の斜距離約200mの一斜面であり、下部から上部に至る5地点を対象とした。シカ害顕在化前の2001年と顕在化後の2021年に鉱質土層(0-5cm)を採取し、純窒素無機化特性などを測定した。反復測定二元配置分散分析により解析した結果、FH層厚、全窒素濃度、C/N比、純硝化速度、pHには採取年による有意な効果が認められ、斜面上の全地点でFH層は消失、純硝化速度、全窒素濃度、pHは上昇し、C/N比は斜面の中部から上部で低下した。また、純硝化速度は2001年は斜面下部側の2地点以外ではほぼ検出されなかったが、2021年には斜面上の全地点で検出された。
著者氏名 ○廣部宗1 ・ 清村康太1 ・ 松本哲也1 ・ 横部智浩2 ・ 兵藤不二夫1 ・ 舘野隆之輔2
著者所属 1岡山大学大学院環境生命科学研究科 ・ 2京都大学フィールド科学教育研究センター
キーワード 森林斜面, 土壌特性, シカ
Key word forest slope, soil properties, sika deer