第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

立地部門[Forest Environment]

日付 ポスター発表
講演番号 P-287
発表題目 山陰地方のスギ人工林における窒素循環に対する間伐の効果
Effect of thinning on nitrogen cycling in a Japanese cedar plantation in San'in region, western Japan
要旨本文 島根大学三瓶演習林内の隣接する19年生(無間伐区、立木密度3400本 ha-1)および21年生(間伐区、立木密度2300本 ha-1)のスギ人工林にて、年間の立木成長量および地上部窒素蓄積量、リターフォール窒素還元量、土壌窒素無機化量を評価した。地上部の窒素蓄積量は無間伐区が上回っていたが、立木成長量は間伐区で大きく、間伐区の窒素蓄積の年間増加量は24.9 kg ha-1、無間伐区では15.5 kg ha-1と、間伐区で無間伐区の約1.6倍となった。リターフォール量は間伐区と無間伐区で大きな差は認められなかったが、間伐区の葉リターの窒素濃度が無間伐区に比べて小さく、リターフォールによる年間の窒素還元量は間伐区と無間伐区でそれぞれ約20 kg ha-1および35 kg ha-1となり、間伐により窒素還元量が抑制されていた。また、リターフォール窒素還元量は冬季に増大していた。土壌の窒素無機化量は、顕著な差ではないものの、無間伐区と比べ間伐区において抑制される傾向にあった。本調査地の規模の間伐では、立木の成長改善による窒素吸収が卓越し、窒素還元と無機化による窒素循環量の余剰が抑制されたことが考えられる。
著者氏名 ○藤巻玲路1 ・ 福田真夕1 ・ 山下多聞2
著者所属 1島根大学生物資源科学部 ・ 2島根大学生物資源科学部附属生物資源教育研究センター
キーワード 間伐, 窒素循環, スギ人工林, リターフォール, 土壌窒素無機化
Key word thinning, nitrogen cycling, Japanese cedar plantation, litter fall, soil nitrogen mineralization