第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

立地部門[Forest Environment]

日付 ポスター発表
講演番号 P-290
発表題目 落葉分解に関与するクロサイワイタケ科菌類の代謝多様性
Metabolic diversity of xylariaceous fungi associated with leaf litter decomposition
要旨本文 クロサイワイタケ科菌類は落葉分解において中心的な役割を果たすが、炭素源利用の多様性、および環境要因や系統分類的位置が炭素源利用に及ぼす相対的影響についてはほとんど分かっていない。本研究では、クロサイワイタケ科菌類の代謝活性にみられる多様性と冗長性を、培養系における炭素源の利用能力の測定により評価した。同時に、菌株の産地の地理的・気候的な要因や、菌株の分類学的・系統学的な位置との関連についても調べた。日本の8地点で採取したスダジイ落葉から分離したNemania、Xylaria、Nodulisporium、Astrocystis、Hypoxylonの43株を用いた。バイオログ社のエコプレートに接種したところ、これら菌株は多様な炭水化物、アミノ酸・アミン、カルボン酸、高分子の利用能力を有していた。クロサイワイタケ科の属と産地は、代謝活性の多様性と炭素源の利用速度に大きく影響した。菌株間にみられた炭素利用の差異は、特に気候的要因(年平均気温、降水量、最大積雪深)と関連することが示された。より近い産地で得られたクロサイワイタケ科菌類は、炭素源利用のパターンがより類似する傾向があり、地域の環境条件への代謝的な順応が示唆された。
著者氏名 ○大園享司1 ・ 田渕航平2 ・ 長谷川元洋1 ・ 広瀬大3
著者所属 1同志社大学理工学部 ・ 2同志社大学大学院理工学研究科 ・ 3日本大学薬学部
キーワード 機能的多様性, 炭素源の利用, バイオログエコプレート, 生物地理
Key word functional diversity, carbon source utilization, Biolog EcoPlate, biogeography