第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
立地部門[Forest Environment]
日付 | ポスター発表 |
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会場名 | (学生ポスター賞の審査対象) |
講演番号 | P-304 |
発表題目 | 土壌リン傾度分析で得たコナラ細根ホスファターゼ分泌によるリン獲得モデル Phosphorus acquisition model on the fine-root phosphatase secretion in Quercus serrata along a wide gradient of soil P |
要旨本文 | 日本列島には土壌タイプの違いに起因した土壌P濃度の大きな変異が見られる。温帯二次林の代表的な構成種で、幅広い分布を持つコナラは広い土壌P傾度に適応していると思われる。このため、コナラのP獲得形質には、土壌P濃度の違いに応じて種内変異が存在する可能性がある。ホスファターゼは土壌有機態Pを加水分解し植物が吸収可能なリン酸を放出させる酵素で、樹木は細根からホスファターゼを分泌している。本研究は土壌P濃度が異なる14地点で、4種類のコナラ細根ホスファターゼ活性(PME:ホスホモノエステラーゼ、PDE:ホスホジエステラーゼ、PyP:ピロホスファターゼ、PhT:フィターゼ)を測定した。PME、PyP、PhTにはサイト間差が見られた。4種類の中でPMEは最も高い値を示し、土壌可給態Pと負の関係を示した。土壌P可給性が高まるほど、PMEは低下すると考えられる。PyPは土壌可給態Pと正の関係、PDEとPhTは土壌有機態P(モノエステル態P)と負の関係を示していた。コナラはPMEを主要な酵素として土壌P可給性に応じて変化させるとともに、他の酵素を追加的に分泌し安定したP獲得につなげていると考えられる。 |
著者氏名 | ○水上知佳1 ・ 向井真那2 ・ 和穎朗太3 ・ 江澤辰広4 ・ 北山兼弘1 |
著者所属 | 1京都大学大学院農学研究科 ・ 2山梨大学 ・ 3農研機構 農業環境変動研究センター ・ 4北海道大学 |
キーワード | 細根ホスファターゼ, リン獲得戦略, 土壌栄養塩, 適応, 植物ー微生物相互作用 |
Key word | Fine-root phosphatase, Phosphorus acquisition strategy, Soil nutrient, Adaptation, Plant-microbe interaction |