第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

利用部門[Forest Engineering]

日付 ポスター発表
講演番号 P-355
発表題目 クラフトバンドを用いたのり面保護工の機能評価
Functional evaluation of slope protection using the craft band
要旨本文  わが国の森林は急傾斜地が多いことから林道や作業道の法面の長大化が避けられず,長大法面においては適切かつ安価なのり面保護が求められる。とくに作業道においては,施工が容易なものが求められる。そこで本研究では植生ネット工に着目し,新たな素材として生分解性のクラフトバンドの使用を検討した。 試験地は東京農業大学奥多摩演習林の作業道切取法面2箇所とした。幅12mmのクラフトバンドを半分に裂き,3×3cmメッシュの植生ネットを自作して施工した。観測項目は,流出土砂量,光量子量,土壌水分量,植被率,開空度とした。 流出土砂量は,植生ネット施工区では無施工区より73%少なかった。とくに降水量が多かった6月下旬から7月上旬にかけては,施工区が5分の1となり,土砂流出防止効果が大きく得られた。また,土壌水分との関係を見ると,無施工区は土壌水分量が多くなるに従い流出土砂量が増加したが,施工区は高い水分量を保ちながらも土砂流出を防いでいた。これにより埋土種子等による早期緑化も可能になると考えられる。
著者氏名 ○矢部和弘1 ・ 佐藤大樹2 ・ 亀山翔平1
著者所属 1東京農業大学地域環境科学部 ・ 2杉本林業
キーワード のり面保護, 作業道, クラフトバンド, 表面侵食
Key word slope protection, strip road, craft band, surface erosion