第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]
日付 | ポスター発表 |
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講演番号 | P-386 |
発表題目 | ニホンジカ・カモシカ識別キットを利用したニホンジカの越冬地探索 Exploration of overwintering place for sika deer using the Sika Deer and Japanese Serow Discrimination Kit |
要旨本文 | 演者らは、ニホンジカ(以後、シカ)の頭数が比較的少ない北東北でのシカの効率的な捕獲方法を検討している。北東北の特徴の一つとして、冬季間の積雪量の多さが挙げられる。多雪地域において、シカは積雪深が周囲より浅く、かつ餌が豊富にある場所に冬の間集まる習性を持つと言われていることから、冬季の集合場所、すなわち越冬地での捕獲が有効な手段の一つと考えられる。秋田県仙北市の調査地では、冬の間ササ類がシカに激しく食べられることがわかっている。しかし、ササは同じ大型哺乳類であるカモシカの餌にもなる。そこで、食痕に付着したDNAから食べた動物種を特定できるニホンジカ・カモシカ識別キットを用いて、ササがシカに食べられてからどのくらいの期間までシカの食痕であることを特定できるか現場で調査した。積雪期間中に食べられたササを1~3か月後まで調べた結果、1か月後で約80%、2か月後で約40%、そして3か月後で約10%の食痕からシカの陽性反応が得られた。このことから、ササの食痕をシカの越冬地指標として用いた場合、雪解け後の3月から5月頃にかけて現地食痕調査を実施することで十分にシカの越冬地を特定できると考えられた。 |
著者氏名 | ○相川拓也1 ・ 高橋裕史1 ・ 長岐昭彦2 |
著者所属 | 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所 ・ 2秋田県林業研究研修センター |
キーワード | ニホンジカ, クマイザサ, 食痕, DNA |
Key word | sika deer, Sasa senanensis, traces of eating, DNA |