第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]
日付 | ポスター発表 |
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会場名 | (学生ポスター賞の審査対象) |
講演番号 | P-403 |
発表題目 | ニホンジカによるツツジ科小低木4種の枝葉・果実利用:浅間山高山帯の事例 Use of 4 ericaceous dwarf shrub species by Sika deer in an alpine zone of Mt. Asama. |
要旨本文 | 液果を生産するツツジ科小低木は、日本中部では高山帯に広く分布する。その液果を高山帯に侵入したニホンジカが採食していたとしたら、その種子繁殖の成否に影響を与えているだろう。本研究では、ニホンジカによるツツジ科小低木の枝葉・果実の採食状況を把握した。調査は標高2,568mの浅間山で2021年5月~11月かけて行った。森林限界の標高1,650mから高山帯の1,870mにかけての5か所で、シカによるツツジ科小低木4種(ガンコウラン・クロマメノキ・シラタマノキ・コケモモ)の採食行動をカメラトラップ法(15台)を用いて調査した。標高1,650mでは月に1回、20の糞塊から10粒ずつ採集した。採集した糞を春・夏・秋に分類し、DNAメタバーコーディング法を用いて食性を分析した。シカの個体数は標高1,650mが最も多かったが、標高1,770mまで侵入していた。糞から検出されたDNAのリード数の割合が最も多かった種は、春のコケモモで17.9%、次いで夏のクロマメノキで13.9%、夏のコケモモで6.5%の順であり、ガンコウランとシラタマノキについては、2%以下であった。したがって、ニホンジカは春と夏にコケモモの枝葉を、夏にはクロマメノキの枝葉・果実を採食していることが示唆された。 |
著者氏名 | ○新井梓 ・ 高橋一秋 |
著者所属 | 長野大学環境ツーリズム学部 |
キーワード | コケモモ, 種子散布, 糞分析, DNAメタバーコーディング法, カメラトラップ法 |
Key word | Vaccinium vitis-idaea, seed dispersal, fecal analysis, DNA metabarcoding method, camera trap method |