第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]
日付 | ポスター発表 |
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会場名 | (学生ポスター賞の審査対象) |
講演番号 | P-404 |
発表題目 | 奥秩父山地におけるシカの生息地選択と人間活動に対する行動反応 Habitat selection and behavioral responses to human activities by sika deer in Okuchichibu Mountains |
要旨本文 | 近年の野生鳥獣による森林被害は深刻な状況にあり、特にニホンジカ(以下、シカ)による枝葉の食害や剥皮等の影響は強く懸念されている。シカの管理捕獲が実施されているが、山間部では十分な効果が上がっていない地域もあり、シカの行動・生息地管理に基づくアプローチが必要である。そこで、人間活動によるシカの行動変化と生息地利用の変化を明らかにするため、流域スケールで人間活動の影響を検証した。東京大学秩父演習林滝川流域は、滝川を境に狩猟や登山などの人間活動の行われている地域(西岸)と、アクセス困難な鳥獣保護区域(東岸)に隔てられている。流域内の61地点に設置した自動撮影カメラから得られた2020年9月~2021年6月の動画データを使用し、個体ごとにシカの警戒行動の記録を行い、行動特性と個体密度、日周活動について、環境要因との関係を解析した。その結果、西岸では東岸よりも個体ごとの警戒行動が長くなり、夜間や薄明薄暮の活動も増えることが示され、人間活動の影響を受けていることが示唆された。また、標高が警戒行動に影響を与えていた。さらに、狩猟期-非狩猟期の違いによって、地域間の密度が異なることが明らかになった。 |
著者氏名 | ○玉木麻香1 ・ 梅木清2 ・ 谷川鴻介3 ・ 角田裕志4 ・ 平尾聡秀5 |
著者所属 | 1千葉大学園芸学部 ・ 2千葉大学園芸学研究院 ・ 3スウェーデン農業科学大学 ・ 4埼玉県環境科学国際センター ・ 5東京大学秩父演習林 |
キーワード | ニホンジカ, 自動撮影カメラ, 行動反応, 生息地選択, 人間活動 |
Key word | Cervus nippon, camera trap, behavioral response, habitat selection, human activity |